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- 虫歯のリスク検査の案内
当法人では、今の状態だけを診るのではなく、過去から現在までを詳しくひもとき、そして将来を予測する「虫歯のリスク検査」を活用した虫歯治療を行っています。
虫歯のリスクとその予防方法をもれなく理解していただくため、唾液によって虫歯リスクを調べる検査は、すべての患者さんが対象です。
レントゲン検査をすれば、撮影時点での虫歯の状態が分かりますが、その後どのくらいの速度で進行するのかは不明です。放置したら早期に悪化してしまうかもしれません。したがって、歯科医師はそのまま経過観察をするというわけにはいかず、すべての虫歯を削って治療をするということになります。これは早期発見・早期治療の考えに基づくものであり、「2次予防」とも言えます。
しかし、唾液を採取して、唾液中の細菌や酸性に傾いた歯を戻す力「緩衝能」などを分析すれば、なぜ虫歯ができてしまったかを突き止めることができるのです。唾液検査の結果に基づき、弱点をカバーできるように行動を変えれば、歯を削って埋める治療をしなくて済む可能性が高まります。これが「1次予防」です。
2021年10月時点で、当法人の患者さんたちの9割は削って詰める治療は「なし」の状態です。
虫歯リスク検査を受けなかったせいで、虫歯を防ぎきれなかったり治療不要の虫歯まで削ってしまったりする可能性があります。結果として、時間もお金もかかり、再発して再び時間とお金を費やすという負のスパイラルを生むと考えています。虫歯リスク検査を受けることで、負のスパイラルを食い止められる可能性を高められるのです。
虫歯治療は、削って詰めることだけを指すのではありません。虫歯になったご自分の口腔内環境を見つめなおし、ご自分の生活習慣を変化させることも、立派な治療の一つなのです。
今まで「虫歯になったら削らなきゃいけない」と思っていた方が多いことでしょう。この検査を通じて考え方が変わり、前向きに、そして楽しく予防できるようになるといいなと期待しています。
(例)レントゲン検査で小さな虫歯が8本見つかったとしたら?
虫歯リスク検査を | する場合 | しない場合 |
---|---|---|
虫歯の原因 | 分かる | 分からない |
虫歯の進行度 | 分かる | 分からない |
虫歯の進行 | 止められる可能性がある | 止められない |
歯を削る治療 | 0本で済む場合あり | 8本全部 |
虫歯治療の費用 | 費用が発生しない可能性がある | 約30,000円(保険診療で充填)~ 480,000円(自由診療のインレー) |
唾液による虫歯リスク検査を受ける前の注意点
□ 来院1時間前までに飲食・歯磨きを済ませておいてください。
□ うがい薬を使用している場合は来院当日朝からは使用しないでください。
□ タバコを吸われる方は、来院1時間前までに喫煙を終えてください。
□ 初回に細菌培養キットを購入していただきます。(費用4,290円・税込み)
虫歯の進行度は、患者さんによってさまざまです。当法人では、細菌学的なアプローチで虫歯のリスクを判定し、なるべく歯を削らなくて済む方法を患者さんと一緒に考えます。
レントゲンで、歯と歯の間に虫歯があると分かります。しかし、レントゲンでは「今」の状態しか分かりません。